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『保険毎日新聞』(2003年5月29日)代理店版に菱栄が掲載されました。


菱 栄 社長と子息3人が個性生かし結束

保険契約は信用第一、日々の積み重ねで構築
独自の「顧客台帳」で契約管理

菱栄(株)は、1965年に生損保の代理店業を開始し40年近くの歴史を持つ。(1)当初から複数の保険会社の商品を取り扱い、顧客ニーズに応えることをモットーにしてきたこと(2)3人の子息それぞれが保険会社勤務の経歴を持ち、その経験を十分に生かした営業を行えること(3)同時に後継者が着実に育っていること―などが大きな特徴だ。
 同社は、本田徹三社長のほか、長男の徹久氏(専務取締役)、次男の領二氏(常務取締役)、三男の鋼三氏(取締役営業部長)の男性スタッフ3人と事務を担当する女性スタッフ1人の構成。



 先代社長で徹三氏の父・本田勇男氏は、東洋オーチスエレベーター(株)の社長を退任後、菱栄(株)を設立。三菱電機昇降機部門の販売業を営む傍ら、59年から69年まで同社内に設けられたアイルランド共和国名誉領事館の名誉領事の仕事もこなしていた。
 65年に、現社長・徹三氏が報道機関代理店を退社し同社に入社、保険代理店部門を新設した。67年から約2年間は、徹三氏が名誉領事補佐の仕事も兼務するなど同代理店はユニークな歴史を持つ。徹三氏が会社を引き継いだ後は、生損保の代理店のみを営んでいる。

 現在は、幹事会社のAIUを始め、東京海上、損保ジャパン、日本興亜、エース損保など十数社の損保に加え、生保では大同生命、アリコの商品も取り扱い、営業を担当するのは徹三氏の3人の子息だ。
 長男の徹久氏は、慶應義塾大学法学部卒業後AIU保険会社に3年余り勤務し、支店での営業を経験。次男の領ニ氏は、中央大学経済学部卒業後大同生命に10年余り勤務。三男の鋼三氏は、専修大学商学部卒業後AIU保険会社に11年余り勤務、主に査定や営業部門を経験した。85年には、徹久氏が、99年には領二氏が、02年には鋼三氏が入社し、それぞれ得意分野を生かした顧客対応をしている。
 「他人の釜の飯を食うことが大事」とする父徹三氏の信念のもと、3氏が保険会社時代に学んだ専門知識や培ってきたさまざまなことが「代理店業で生かされている」という。
 徹三氏は「保険の契約は、紙一枚のものなので何よりも『信用』の仕事。その信用を築くには積み重ねが最も大事」としている。現在スタッフとなっている3氏には、子どものころ、将来に向け、世界一難しい日本のことば(日本語は古い歴史と文化を背景に敬語と謙譲語が豊富にある)の使い分けを瞬時にできるように、普段の生活の中でことばの正しいつかい方を実行させてきた」。約束の時間よりも早めに到着するなど、仕事上で基本になることを指導してきたという。

 徹久氏は「保険というものは、積立保険の満期保険金や、ゴルファー保険のホールインワン保険金など限られた保険金以外は、ある主の不幸な出来事が保険金支払いにつながる。そのようなときこそ、お客さまに『入っていて良かった』と思われるような立場でありたい。困っている方が、少しでも楽になれるよう皆さまの気持ちに応えていきたい」と考えている。
 領二氏は、生命保険分野で長年培ってきたノウハウを持ったファイナンシャルプランナーとして、財産保全の相談を損害保険とともに提案する。生命保険では、AIUと大同生命が共同で開発した「経営者大型保証制度」が中心。
 鋼三氏は、査定部在職中に、自動車事故のすべてを経験し、現在も、事故時の顧客に対する適切なアドバイスを行っている。
 
 同社の取扱う種目は、損保では、自動車保険を中心に、傷害や火災、動産総合保険や役員賠償責任保険の取り扱いも多い。生命保険では、医療保険などニーズの拡大している分野にも力を入れている。「保険会社の商品には、やはり各社の特徴や得意分野があるため、複数の会社の商品を取り扱うことが必要」との考えだ。4人のメンバーで、毎年の営業計画を立て、日常の活動では報告・連絡・相談を欠かさずに行っている。

 社長の住まいは藤沢市にある。「代理店経営は、日曜日以外に休みが取れないため、江の島の近くに生活しながら、海に遊びに行くことやドライブを楽しむことなどで親子のコミュニケーションを図ってきた」という。現在3氏は、小田急線沿線、中央線沿線、田園都市線沿線にそれぞれ住んでいるが、それには「万一の場合の危険分散」の意味もあるという。
 
 法人顧客が約250社、個人顧客が約1500人という同社では、企業本社の契約が各支店へと発展することも多く、活動の範囲は、離島以外のほぼすべての都府県にわたっている。独自につくっている「顧客台帳」には、詳細な情報が書き込まれており、パソコンのデータベースに頼らないこまかな配慮が生かされている。
 「企業の経営者は、本当の相談をする相手がなく、意外に孤独なもの。困ったときに親身に相談に乗ること、秘密を守ることが非常に重要で意義があり、それが信頼にもつながっている。また、遠隔地の契約者に対しても、連絡を欠かさないことも契約継続のポイント」だ。
 すでに、徹三社長は代理店の後継を着実にするための取組みに入っている。現在は、自らが営業するのではなく、いかに引き継いでいくかに力を入れているという。例えば、社長が担当してきた契約者を、3人が分担して担当。契約者へのあいさつには徹三社長が同行し、継承がスムーズに行くように心がけているという。
 
 今後は「顧客を増やし、代理店を大きくしたい。一つの大規模な契約は万一の場合のリスクが大きいため、小さな契約を増やしていくことが最も大事なこと。大きな夢(目標)を常に持ち、一歩ずつ確実に歩んでいきたい」(徹三社長)としている。同社の取り組みからは、常に将来を見据えたスタッフ連携の必要性や、スムーズな代理店継承のヒントを数多く見ることができる。


菱栄は創業50有余年。過去20年間では約6,500件の事故を取り扱いました。
これからもお客様の代表として、お客様の立場にたった代理店を続けてまいります。
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